隠れ蓑〜Another story〜
初めて見る彼の車に乗り込むと、ようやくゆっくりと呼吸ができた。
彼も同様にふぅ、とため息を漏らした。
「、、すみません。こんな事になるなんて思ってもいませんでした。」
「いや、確かに疑われるのも無理はないよ。実際、社外で過ごす事なかったからね。今後は少しスタンスを変えた方がいいかもね。今日はこのまま食事に行こう。話はそこで詰めようか。」
「えっ、!?食事ですか?!?!」
「もしかして、、用事あった?」
「い、いえっ!特にはありませんが、、その、、、ご迷惑じゃないですか?」
「俺から誘ってるんだから迷惑な訳ないでしょ。勿論、無理強いはしないよ。晶帆が迷惑じゃなければの話ね。」
「迷惑だなんてそんなっ、、!」
「じゃあ、決定ね。」
そう言って彼はハンドルを握った。
初めて乗る彼の運転する車に緊張しながらも、その横顔を盗み見る。
真剣な表情にドキドキするものの、彼との2人きりという空間に安心する。
先程までの張り詰めていた空気が嘘のように、身体が軽い。