隠れ蓑〜Another story〜



俯いていた山下さんが、覚悟を決めたような表情で真っ直ぐにこちらに視線を向けた。











「、、晶帆の事が、本気で大事なら、、、もうあの子を解放してあげて下さい、、。お願いします。」



そう言って頭を深々と下げた。


「この会社にいる限り、2人は幸せになんかなれない。だったら一層の事、もう晶帆の事は諦めてもらえませんか、、?それがあの子の為です。もうこれ以上、晶帆を傷つけないでっ、、!花形部署のエースであろうと一社員である津川さんにどうする事もできないんですからっ、、!!!」

『、、どうにかすればいいって事か?』

「だからっ、、それはっ!!!」









声を上げた山下さんに背を向け、ドアノブに手を掛けた。

そして背を向けたまま呟いた。






『、、本気を出すよ。それなら文句ないんだよな?晶帆を手放さずに済むのなら、、、使えるものはなんだって使う。形振りなんか構ってられないから。』







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