隠れ蓑〜Another story〜
「それが今は誰かの為にこんなにも真剣な顔をするようになった。、、康彦もお前のそんな表情を見たら驚くだろうな。、、たまには家に帰ってるのか?」
「、、いえ。」
「たまには顔でも見せに帰りなさい。、、自分のプライドを投げ打ってでも守りたいと思える恋人を連れて、、な?お前ももうすぐ30だろう。、、、彼女は確か3つ下だったか。今は若くても、大事にし過ぎて適齢期を逃すと彼女から振られるぞ。彼女を狙っている男は星の数ほどいるのだからな?私にまで紹介しろという男もいるくらいだ。」
叔父の言葉に反応して表情が歪む。
それを見た叔父は楽しそうに笑った。
「ははっ!圭のそんな顔を見れる日が来ようとはなっ!!少し前まではお前が多くの女性にそんな顔をさせていたのにな。、、これで少しは気持ちも分かるんじゃないか?相手の加害者の気持ちも。」
「、、どんな理由があろうとも彼女を傷つける人間を絶対に許しません。」
「、、そうだな。私も愛する妻が彼女と同じような目に遭ったなら相手を許す事はできないだろうからな。」
目を伏せて呟いた叔父に、もう一度頭を下げてドアノブに手を掛けるとまた後ろから声を掛けられた。