恋愛初心者です、お手柔らかに?
「あぁ。妹だよ。俺、6つ下の妹がいるんだ」

「そ、そうなんだ…」

齋藤君はゆっくり話をし始めた。

「多分、一緒に出かけた時に見られたんだと思う。優菜…あ、妹の事な。優菜って俺とじゃなくても親父と出かける時も、腕を組んであるくんだよ。やめろ、って言ってもいいじゃない、って言って聞かないし。彼氏に見られたら誤解されるだろ、って言っても聞かなくてさ」

そう言いながら、齋藤君は携帯を、取り出すと写真を見せてくれた。

「あ、あったこれだ。これ、俺の家族」

見せてくれた携帯には、4人写っていた。

「これ…」

「そ、両親と妹の優菜。何かある度に写真撮らされるんだ。家族写真。変だろ?いい加減恥ずかしいって言うんだけどな」

そこには優しそうに微笑むご両親と妹さんの優菜さん。
そして、目の前にいる齋藤君。

「信じてくれた?」

「っ、疑って…恥ずかしいね…」

「いや、ごめんな。俺がちゃんと話しておくべきだったよ…」

「ううん、私が勝手に誤解したんだもの。ちゃんと話すればこんな事にならなかったのに」

「いや…俺が…って、やめよう。こらからは何でも話をしよう。好きだよ、絢」

そう言うと、齋藤君の顔が近づいてきた。

「ダメ…風邪うつしちゃう…」

下を向く私に、齋藤君は顔を上げてと耳元で囁いた。

「絢の風邪なら大歓迎だよ」

え?と顔を上げると、齋藤君は私にキスをした。
< 114 / 125 >

この作品をシェア

pagetop