恋愛初心者です、お手柔らかに?
「齋藤君…明日からどうするの?会社大変だよ、噂になってるからきっと」

「いいよ。そのつもりで話をしたんだし。俺は全然気にしないよ」

「もう!私の方が大変なんだから」

「大丈夫、俺が守るよ。文句なんて言わせないから」

俺が守るよ、と言って私をもう一度抱きしめてくれた。

無理はしないからと言った通り、一緒に食事をとってから、齋藤君は私を抱いたまま眠りについた。


翌朝、目が覚めると、気持ちよさそうに眠る彼の姿が目に入った。

若いっていいなぁ。
私よりも肌が綺麗だし、睫毛も長い。
やっぱり、カッコいいよな…齋藤君って。

「もう…いい?あんまりじっと見られると恥ずかしいんだけど」

「え?あ、起きてたの?やだ」

私が起きたと同じくらいに目が覚めていたらしく、顔を触りまくっているのが嬉しくて黙っていたらしい。

恥ずかしさのあまり、後ろを向くと、そのまま後ろから抱きしめられた。

「おはよう。絢、体調大丈夫?」

「っ、大丈夫よ。ありがと。おはよう、悠君」

初めて呼んだ彼の名前。
呼び捨てするには恥ずかしいから、君付けで。
そして、抱きしめられた腕の中で振り返った私は、その彼の唇にキスをした。




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