恋愛初心者です、お手柔らかに?
「だから…もう少し離れて歩いてよ…」

「なんで?いいじゃん。さすがに会社に行くのに、手は繋げないよね。そこは我慢するから」

「なっ…」

な、何を言い出すの!?

びっくりして顔を見たけれど、逆に何が?って感じで私の顔を見た。

「素直じゃないなぁ。大丈夫だって、絢」

「もう!どうなってもしらないからね!」

そうは言ってみたけれど、私はそんな強引な所も好きなんだから仕方ないか、と納得した。

「おはようございます。永山さん!あ、齋藤さんも。仲良く一緒にご出勤ですか?」

会社近くで、倉橋さんから声をかけられた。
小さな声です私に話かけてきた。

「昨日の事、涼子に話したらやっとか!って喜んでましたよ。詳しい話後で聞かせてくださいね」

「え、あ、うん…」

涼子と悠君の同期である倉橋さんは、じゃ!と言うと、足早に会社に入って行った。

「バレバレですね、俺達。白石課長まで話がいってると、もっと嬉しいんだけど」

でも、悠君の願いは届かず、白石課長までには話は届いていなかったようだった。

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