不思議の国のティーパーティー



「あれ。どこかで見たことある。きみは誰?」



言ってあたしの隣に真っ直ぐ立つアオイを覗き込む。



しかしアオイは時計屋の距離の近さに一切動じず、お辞儀をした。



「申し上げる程のものではございません。これで失礼致します」



どんどん遠くなるお茶会。

楽しい時間は一瞬だった。


訳の分からない理由で開かれている、訳の分からない動物たちと、訳の分からないお茶会。


もう少しみんなと歌っていたかった。





そう思うあたしは狂っているのだろうか。






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