不思議の国のティーパーティー
あれから、アオイが図書館に入る時はあたしも一緒に入ることにした。
毎日毎日小さな文字がびっしり詰まった本を開いてはため息をつく。
呪いを解くヒントを見落とさないように、1文字1文字丁寧に刻んでいく。
「ダメねえ。もはや何がヒントかも分からないわ」
「お疲れになりましたでしょう。付き合わなくても大丈夫ですよ」
「いいえ。やるわ。アオイにはもうこれ以上何も諦めて欲しくないの」
眉をしかめ気合を入れ直したあたしに、アオイはもう何も言わない。
小さく微笑んだ。
「でもこの本はダメね。壊れた時計の直し方、一切魔法が使われていないわ」
古そうな説明書だったため、少し期待したのだが、その期待は呆気なく裏切られた。
あたしは本を閉じ、何度目か分からないため息をつく。
「一旦休憩にしましょう。ミルクティーを入れますよ」
アオイはあたしが閉じた本をさっと手に取り、本棚に戻した。