剛力家の三兄弟
「真奈美、海外旅行へは?」
「いいえ、行ったこと無いです。
そんな余裕無かったし・・
だからかも知れませんね?
この小さな街並みだけでも、海外へ来たかの様にテンションあがるし、ワクワクして来るんです」
今日はいつもより、楽しいかも?
それは、たぶん…
うっとり景色を眺める真奈美の手を握り
「いつか俺が、本物を見せにイタリアへ連れて行ってやるよ?」と禎憲は言った。
「イタリア?」
「ここはメディテレーニアンハーバー、南ヨーロッパの港町をテーマにしてるだろ?
建物も、イタリアのポルトフィーノの港町がモチーフになってる。
ヴェネツィア風のゴンドラや、景色もそうだが、所々にイタリア単語が目に入る。ショップやアトラクションにもイタリア語由来のものがたくさん有るみたいだしな?」
「えっショップにも?」
「あそこにあるワゴンショップ、ミラマーレってかいてあった。
イタリア語でMiraは眺め Mareは海と言って、“海の眺め”という意味だ」
「えっ?じゃ、ホテル・ミラコ◯タのミラも同じ?」
「だな?
他にも、Piccolo Mercato はイタリア語で小さな市場という意味だ」
「凄い。禎憲さんってホント物知りですね?」と真奈美は禎憲へ尊敬の眼差しを向けると禎憲と目が合い、禎憲は真っ直ぐ真奈美を見つめ、そして、「Amore ・ Amore mio 」と言った。
え?
アモーレ ミオ…?
確かアモーレって愛って意味だよね…たぶん…?
サッカー選手が、恋人をアモーレって言って話題になったけ?
ん?
アモーレ ミオって事は
澪ちゃんを愛?愛おしいって事…?
そっか!
従兄弟と、幼馴染の子だもんね?
澪ちゃんを愛おしいほど好きって事だよね?
「私も澪ちゃんの事、可愛いし、好きですよ?」
禎憲は真奈美の言葉に大きな溜息をついて、
今度は「Ti amo Sono pazza di te!」と真奈美に伝え、キスをした。
えっなに?
こんな所で嘘でしょ…?
絶対、みんな見てるし!
「んっ・・」
訳も分からない突然のキスに、真奈美は禎憲の胸を叩き抗議すると、唇の隙間から入り込んだ舌が、真奈美の口内を探るキスへと変わった。
その時にはもう、真奈美の頭の中まで痺れ、体の力が抜けていき、立っているのもやっとだった真奈美は、禎憲を受け入れ他人の目など気にする事など出来なくなっていた。そして、互いのそれを絡める取るキスへと変わっていた。