剛力家の三兄弟

暫くして、電話を終わらせて禎憲は戻ってきたが、表情は険しくなっていた。

「禎憲さん?」

「明憲、悪いが明日も店休むから、張り紙頼むな?」

「ちょっと待って!
今日、臨時休業してるのに、明日もって・・どうして?」
さっきまで、そんなこと言ってなかったのに・・
ユリさんと何かあったの?

「真奈美は心配しなくていいから、家でゆっくりしてろ?
昨夜は、あまり寝かせてやれなかったからな?」

禎憲の言葉に、明憲と憲剛は真奈美達をからかいの言葉と眼差しを向けたが、真奈美は明憲達の事より、ユリの電話が気になっていた。

剛力家の皆んなから祝福を受けたのだから、今夜から同じ部屋だと真奈美は思っていた。
だが、違った。

「俺、明日早く出かけるから、今夜は今まで通り自分の部屋で寝るわ!
真奈美もゆっくり休みな?」

禎憲は、“おやすみ” と真奈美の頭へキスをおとすと、自室へと向かった。

「アイツどうしたんだ?」と憲剛は心配していたが、明憲は、「家を継ぐ意思を固めたんだ、ケリつけなきゃいけない事も有るんだろう?」

「女か?」と言う憲剛に、父親である隆守は険しい顔をした。

「憲剛程じゃないだろけどな?」と明憲は言う。

禎憲さんにもケリをつけたい女(ひと)がいる・・?
それがユリさんなの?




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