剛力家の三兄弟
嫌っ!
行かないで!
っ!!
飛び起きると、そこは、自分の部屋の布団の上だった。
「嫌な夢・・」
真奈美はいつの間にか寝てしまっていた様で、悪夢で飛び起きたのだ。
えっいま何時?
時計を見ると、もうすぐ18時になろうとしてるところだった。
随分寝ちゃったんだ・・・
お夕飯の支度手伝いに行かなきゃ!
台所に行くと、美代子が心配して、休んでいていいと言ってくれる。だが、なにかしていた方が気がまぎれるからと、食事の支度を手伝わせてもらう。
テーブルに用意された7人分の食器に、また、目頭が熱くある。
流れそうになる泪を堪えて、真奈美は禎憲の分の食器を片付ける。
「あれ?」と言う美代子に、
「ごめんなさい。今夜は禎憲さん帰ってこないので、食事はいらないです。多分、明日の朝も・・」
と、真奈美は言う。
美代子はなにも聞かずに、分かりましたとだけ返事をした。
どうして・・
今朝、ユリさんに私の事聞かれた時、何も言わなかったの?
私はあなたの婚約者じゃないの?
年パスは、私と二人で行く為って、言ってくれたのに・・
今夜は、私と泊まった同じホテルに、ユリさんとふたりで泊まるの?
私と見た同じ景色をユリさんと一緒に・・
「美代子さん、ごめんなさい。
私、やっぱり気分が優れないので、食事の支度お願いして良いですか?」
「勿論良いですけど、大丈夫ですか?
なんなら、お医者様お呼びしますか?」
「ううん。大丈夫」
「じゃ、お食事はお部屋の方にお運びしますね?」
「有難う」
部屋へ戻っても、結局、禎憲さんとユリさんの事を考えてしまって辛いだけだった。
私と違って、ユリさん綺麗だしスタイルも良いから、禎憲さんの横に並んでもステキなんだろなぁ私の時の様な、好奇な目で見られる事なんてないよね?
今、二人・・ホテルなのかな?
もしかしたら、一緒に観たショーをユリさんと観てる?
どうしても、自分の時と比べてしまって悲しくなってしまう。
禎憲に買ってもらった、大きなダッ◯○の縫いぐるみを抱えて、真奈美は流したく無い泪を流していた。