剛力家の三兄弟

明憲にコーヒーを淹れていると、次々とお客さんが入って来た。

「いらっしゃいませ!直ぐご注文伺いますので、少々お待ち下さい」

真奈美がお客さんへ声掛けると、明憲が俺が行くと言って、トレーにお水とオシボリを乗せ、注文を取りに行った。

明憲さん・・

「すいません。弁護士先生に手伝わせてしまって・・・」

「外の事は俺がやるから、あんたは中の事だけ、やってろ!」

「でも・・明憲さんも仕事が?」

「あんたも知っての通り、弁護依頼の電話なんてかかってこないさ!」

明憲は、“報酬はたんまり禎憲から貰うから、気にするな” と言って、手伝ってくれた。

ありがとうございます・・・
助かります。

ランチの時間帯になると、一気にお客が増え、満席状態が続いていた。
明憲も慣れない仕事で、テンパり始めた時、救世主が現れた。

「うっわー!
めっちゃくちゃ混んでるじゃない?」

「留衣さん!」

「もう、困ってるなら、連絡よこしなさいよ!」

「え?」

「憲剛から連絡貰ったのよ?
私、学生の頃、カフェでバイトしてたから、明憲より全然使えると思うわよ?」
留衣はそう言って、手伝い始めた。

良いのかな?
弁護士先生に、ゆくゆくは幹事長夫人になろうという人に、手伝って貰っても・・?

「ほら!ぼーとしてないで、オーダー通すよ?3番テーブル、Aランチ1つとBランチ2つ。
6番テーブル、アイスミルクティーと、レモンティー」

「はい!」

「1番テーブル、Aランチ出ます!」

『明憲、ぼーとしてないで、空いてるテーブル片付けて!』
『お前が仕切るな!』
留衣の指示に、明憲は文句言いながらも、動いていた。

3時を過ぎた頃、やっと一息つくことが出来、真奈美は二人にサンドイッチと、コーヒーを出した。

「ランチは無くなっちゃって?」

「ありがとう。あれ、真奈美ちゃんのわ?」

「私は、まだ、やらなきゃいけない事が有るので、お先にどうぞ!」

「洗い物なら俺がやるから、あんたが先に食え!
昨日から何も食ってないだろ?」

明憲の言葉に、留衣は驚き、サンドイッチを真奈美の口へ無理やり放り込んだ。




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