剛力家の三兄弟
どうしてそんな事言うの?
私の気持ちは知ってるでしょ?
「禎憲、お前が何を考えているのかは知らんが、今のお前を、当主としても親としても、私はお前を認めらる訳にはいかない。
今のままでは、真奈美さんのお母さんへも合わせる顔がないからな?
こうなってしまっては、真奈美さんとの結婚も家を継ぐ話も、全て白紙に戻す!いいな?」
「っ・・・・・」
なにも応えない禎憲へ、さらに当主である隆守は話を続けた。
「白紙に戻した上で、真奈美さんには改めて、明憲と憲剛との結婚を考えて貰いたい。
それでお前は異論ないな?」と禎憲へ問うた。
え?
そんな・・・
禎憲さん黙ってないで、なにか言って!
「・・・もともと、真奈美の意思を尊重するって話だったんだから、俺は何も・・異論は無いよ」
嘘っ・・・
禎憲さん何言ってるの?
私との結婚白紙にもどすって・・・
禎憲の言葉に、ショックを受けた真奈美は、自分の口を抑え、禎憲への思いをのみ込んだ。
だが、目頭が熱くなるのを感じた真奈美は、左手の甲へ爪を立て、込み上げる想いも泪も全てを堪えていた。
その真奈美の思いに気がついたのは、法子だった。
「真奈美さん、顔色良くないわ?
部屋へ戻って休みなさい。美代子さん、真奈美さんを部屋へ」
美代子に連れられ部屋へ戻ると、真奈美は再び布団の上に横になった。
「後で、温かいスープでもお持ちしますね?」
美代子はそう言うと、真奈美の部屋を出て行った。