剛力家の三兄弟
翌日、小鳥のさえずりによって目を覚ました真奈美は、重いまぶたをあけると、スマホに入ってるアルバムを開いた。
あの日、二人で過ごしたネズミランドでの思い出。そこに写る沢山の二人の笑顔。
この笑顔はニセモノなの?
禎憲さん・・・
重たい心を抱えたまま、台所へ行くと、美代子から、心配する母親の様な優しい眼差しを向けられる。
「大丈夫ですか?」
「はい・・・」
「真奈美さん、ちょっとここへ上を向いて座って下さい」
美代子に言われるまま、真奈美はそこにある椅子に座った。
すると、温かいタオルを瞼の上に置かれたのだ。
「温かい・・」
「5、6分温めて、今度は5、6分冷やしてを、数回繰り返すと、多少はましになりますから?」
美代子さん・・・
「私、結構泣き虫で、ドラマや映画なんかでもよく泣いちゃって、翌日になって後悔するんです。あまりのブサイクな自分の顔みて?
あっ!勘違いしないでくださいね?
真奈美さんがブサイクになってるなんて言ってませんよ?
これは、私の話ですから?」
「いいえ、さっき鏡見て、十分ブサイクになってるのは確認してますから?
でも、ありがとう・・」
「真奈美さん?
人の心ってそんなに簡単に変わりますかね?」
「え?」
「ネズミランドから帰って来た時の禎憲さん、とても嬉しそうでした。
あんなに嬉しそうにしてる禎憲さん見たの、私、久しぶりに見ましたよ?」
「美代子さん・・・」
「あっいけない!
お喋りしてたら、もうこんな時間に!」
美代子は慌てて食事の支度を再開した。