剛力家の三兄弟
タクシーが店の前に到着すると、真奈美は急いで降りると、店のドアを開けた。
「真奈美・・?」
突然飛び込んで来た真奈美の姿を見て、禎憲は驚きはしているが、声からはホッとしてる様にも感じられた。
「遅くなってごめんなさい。直ぐ手伝いますから!」
「憲剛とのデートは良いのか?」
「憲剛さんとのデートより、お店の事が気になっちゃって?
憲剛さん置いて帰って来ちゃいました!」
「フッ…その格好じゃ動きにくいだろ、さっさと着替えて来い!
更衣室に着替え置いてある!」
着替え?
もしかして・・・
「はい!直ぐ着替えて来ます」
更衣室には、真奈美の服が置いてあった。
禎憲さん・・
私が帰ってくるって、信じて待っててくれたんですよね?
ありがとう・・・
「良かった・・帰って来て!」
帰って来なければ、禎憲の気持ちには気付かなかったのかもしれない。
そう思うと、嬉しくて、真奈美はひとりニヤけていた。
「おい!着替えにいつまでかかってんだ?早く出て来て働けよ!」
「はーい! いま行きます!」
よし! 頑張るぞ!
真奈美が店へ出ると、まるで見計らったかの様に、ユリが店へ入って来た。
ユリ・・さん
「店には来ない約束だろ?」
禎憲の言葉に、ユリは謝りつつも、微笑み禎憲にすり寄った。
「だって、この間の写真見せたくて?」
ユリは、これ見よがしに、腕に嵌めた禎憲とお揃いの、皮で出来たミサンガを触り真奈美へ見せていた。
「なにか召し上がりになりますか?」
「そうねぇAランチにしようかな?」
「畏まりました。少々お待ちください」
真奈美が厨房の中へ入ろうとすると、ユリは禎憲の作った物が良いと言う。
「だって、真奈美さんに何入れられるか分かんないもん!」
何も入れやしないわよ!
そんな事したら、禎憲さんに迷惑かけるじゃ無い!