剛力家の三兄弟
「禎憲さん、ユリさんのAランチお願いします」
「・・・わかった」
禎憲が中に入ると、ユリは席に着いて、テーブルの上に写真を広げ、一枚一枚確認しては、微笑んでいた。
「お待たせしました。Aランチになります」
ランチを運んで来たものの、テーブルの上には写真がいっぱいで、料理を置く場所がなかった。
「申し訳ありませんが、片付けて頂けますか?」
だが、ユリの耳には真奈美の声は聞こえなかったのか、一向に写真を片付ける様子はなかった。
「ねぇ、これどう?
いいかんじに撮れてるでしょ?」
ユリは一枚の写真を真奈美へ嬉しそうにみせた。
「さぁ、私にはとても良いとは思えませんが?」
「なに?僻んでるの?
禎憲さんが、私を選んだから?」
違う。
禎憲さんは貴女(ユリ)を選んで無い!
「ユリさん、今、貴女は幸せですか?」
「はぁ?」
「微笑んでも貰えない相手に執着して?」
「なに言ってるのよ!
禎憲さんは、ちゃんと笑ってるじゃない!」
「禎憲さんの笑顔は、そんな気持ち悪い作り笑いじゃない!
本当に好きな人には、もっと優しい笑顔を向けてくれるんです!
そこに写る禎憲さんの笑顔は偽物です!」
「なに訳の分かんないこと言ってんのよ!
これから、私が禎憲さんを幸せにして、本当の笑顔向けさせらば良いんでしょ!?
こんなリッチの悪い場所じゃなくて、私の父に頼んで、表通りにもっとお洒落なお店、出させてあげられるんだから!
そしたら、禎憲さんだって…」