剛力家の三兄弟

「真奈美さん、今日の憲剛とのデートはどうでした?」
法子の問いかけに真奈美はにっこり笑った。

「はい。とても楽しかったです。
葉瀬流の家元にも、憲剛さんが紹介してくださって、でも、家元の奥様と前家元とはおお会い出来なかったので、明日また、伺おうと思ってます。
明憲さん、明日もお付き合い出来ませんか?」

真奈美は家に帰るなり、憲剛へ今日の事を謝罪していた。そして憲剛は、明憲から話は聞いてると言って、許してくれていた。

「事件さえ入らなきゃ、午前中なら連れて行けるけど?」

「お願いします。ちゃんと剛力家の嫁として、ご挨拶したいので?」

「そうだな?
前家元には、子供の頃から世話になってたし、式の招待状はまだ無いにしても、結婚の報告兼ねて、挨拶しておいた方が良いからな?」

憲剛は、禎憲へのお仕置きに、一役買って出てくれたのだ。

「あら、招待状なら有るわよ?
誰のお嫁さんになっても、良い様にまだ名前は入れてないけど?」

法子の出して来た招待状に、誰もが驚いていた。
渡された招待状を見ると、確かに名前は入ってなかった。
ただそこには、
“ しっかりお仕置きしてやりなさい ” と、書いてあった。

法子さん・・・

法子へ顔を向けると、ウインクしていた。

法子さんも明憲さんから、報告受けてたんだ?
ありがとうございます。
私は既に剛力家の家族になってる。
そう思うと嬉しくて、涙が出そうだった。

「じゃ、この招待状持って、明日憲剛さんとご挨拶に行ってまいります」

「ちょっと待って!
俺は許可しないぞ!」

「なぜお前の許可がいる?」
と、言ったのは隆守だった。

「お前は、私の決めた事に異論はないと言った筈だ。
そして、真奈美さんの意思を尊重するとも言った!
違うか?!」

いつも穏やかな隆守が、声を荒げる姿を見た事なかった真奈美は、驚いていた。
禎憲もまた、久々に見る父の威圧感に言葉を失っていた。

「それは・・・」

「兎に角、私が決めた事には、従ってもらう!」




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