剛力家の三兄弟

お店で起きていた事を禎憲から聞いた明憲は、疑問に思い、禎憲の許可の下厨房や勝手口など、数カ所にカメラをつけていたといい、その録画された映像をみんなに、見せたのだ。

「嘘っ…」

真奈美は勿論、ユリとエミも驚いていた。

「まさかユリだったとはな?」
抑揚のない声で禎憲は言った。

「違う…私は…」

証拠をつきつけられてしまい、怯えて自分を擁護しようとするユリへ、禎憲は怒りをぶつける。

「違わないだろ!?
こうして証拠がある以上、言い逃れできないだろ!エミの影に隠れてコソコソと…
パンケーキの時だって、真奈美の言葉が無かったらお前はクビになってた。
真奈美はお前の恩人だろが!?
そんな真奈美を陥れようとしやがって!!」

「真奈美さんが悪いの…真奈美さんが現れなかったら…私だってこんな事しなかった!」

え…?

勝手なユリの言い草に、禎憲は “巫山戯るな!!” と、更に怒声を浴びせた。

「ユリさん…」
何も出来ないエミは、ユリの名前だけを哀れむ様に呼んだ。

「エミも知ってたよな!?」

「わ、私は知らない…私はなにもやってない」

「何も知らない?
何もやってないだぁ!?
ユリのやってる事に気づいていながら、真奈美を追い詰める様な事しただろ!?
俺が居ない間に、真奈美を追い詰め、追い出そうとしていた!
オマエら二人とも最低な人間だ!」

「ごめんなさい…でも…」

「二人がやった事は、絶対許せる事じゃない!」

「営業妨害に、窃盗罪!エミは共謀罪!
何より真奈美を苦しめた事、俺は絶対許さない!」

禎憲の言葉にユリは泣き崩れ、頭を下げて許しを求めた。
だが、禎憲は聞く耳を持たない様で、後の事を明憲と憲剛に任せた。

「禎憲さん…?」

「真奈美が何を言っても無駄だからな?
チャンスは、一度だけだったはずだ」

「でも…」





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