剛力家の三兄弟
「明憲は、小さい頃からどんなに具合悪くても、我慢する子だったの。
私達が気づいた時は、扁桃腺腫らして高熱出して苦しんでた。
それでも忙しかった私に、一度も側に居てとは言わなかった。
それを良い事に、私は苦しんでる我が子を置いて仕事へ出掛けていた。酷い母親でしょ?」
法子は、自分を責めるように話し苦笑した。
だから譫言でも、あんな事言ってたんだ。
「後は私が見てるから、真奈美さんは食事してきなさい?」
「でも・・」
「大丈夫よ?
今日は禎憲と出掛けるんでしょ?
食事を済ませたら、禎憲と楽しんで来なさい」
真奈美はダイニングルームへ戻ると、禎憲に予定のキャンセルを伝えた。だが、禎憲はキャンセルを受け入れてくれなかった。
「ランドなんて、いつでも行けるじゃないですか?」
「今日じゃないとダメなんだ!
明憲の事は美代子さんが診ててくれる。
主治医もじきにくるから心配ない!」
「でも、明憲さんが苦しんでるのに、私達だけが遊びにいくなんて出来ない!」
「行って来た方が良い」
そう言ったのは憲剛だった。
「でも・・」
「あんたが、禎憲と出掛けるのが嫌だと言うなら話は別だが、そうでないなら、行くのが明憲の為にもなる」
明憲さんの為・・?
「真奈美さん行っといで?
明憲の事は心配ない。もし、自分の為に中止にしたと知ったら、それこそ悔やむのは、明憲だからね?」
父親である隆守もそう言った。
「・・・はい」