剛力家の三兄弟

駐車場に車を止めると、禎憲に澪を抱かせて、真奈美は澪の着替えの入ったバックだけを持った。

「な、なんで俺が・・?」

「パパだからでしょ?」

「だからそれは!」

「童顔の私が抱いてると、周りからの目がきっと痛いですよ?
おじさんが未成年に手を出して、子供まで産ませたのかって?」

「は?・・・」

既に周りからの好奇な視線を感じていた。
禎憲も視線の多さに気がついたのだろう。不快感を感じ顔を歪めていた。

「ねぇ、痛すぎません?」

「じゃ、ベビーカー出せば良いだろ?」

「折角ですから、ベビーカー借りましょうよ?
ベビーカーもネズミテーストで可愛いんですよ?」

禎憲は溜息をついて、“分かった” と澪を抱いて真奈美の後ろをついて行く。

「ちょっとここで待ってて下さい。私、チケット買って来ます」

「いや、チケットっは俺が買う」

「今日は私が出します。
澪ちゃんの分は無料だし、前回は禎憲さんがだしてくれたから」

「いや、今日は真奈美の誕生日祝いのつもりだから俺が出す。
それとも、高価な指輪の方が良いか?」

高価な指輪…?
それって…

「じゃ、チケットでお願いします・・」

だが、禎憲はメインエントランスにあるチケットブースでは無く、メインエントランス脇にあるイーストゲートへ向かった。

え?
チケットならここでも…

「早く来いよ?」

禎憲は、年パスのツーパーク用を買うと言う。

「ちょっと、いくらすると思ってるんですか!1万2万円で買えないんですよ?」

プレゼントに何万もかける仲じゃないのに…

「うるせぇーなぁ、こんな所で金の話してると恥ずかしいだろ?」

確かに若い女性からの視線は感じるけど…
でも、それはイケメンパパへの羨望の眼差しだと思いますけど?

すったもんだ有りながらも、結局、真奈美はツーパーク用の年パスを買ってもらった。




< 98 / 142 >

この作品をシェア

pagetop