剛力家の三兄弟

「さぁ、どっちから行く?」楽しそうに聞く禎憲と違って、真奈美は少し困惑していた。

高価な物はダメだからと思って、チケットにしたのに…
結局、高価な物になっちゃった…
チケットの事は、また改めて考えることにして、澪ちゃんも居る事だし、今は楽しませてもらおう!

「じゃ、まずはベビーカー借りて、ベビーセンターへ行きましょう?」

「ベビーセンター?
ああ!澪を預けるのか?」

「はぁ?」
禎憲の言葉に、真奈美は冷たい視線を向ける。

「・・え?違うのか?
だって澪が居たら、乗り物なんて乗れないだろ?」

「信じられない!」

「え?」

「ち・が・い・ま・す!
留衣さん達に信用されて、澪ちゃんを託されたのに、自分達が楽しみたいからって、他所に預けるなんて出来るわけないでしょ!
そんな発想の禎憲さん幻滅です!」

禎憲を残し、真奈美はベビーカーを押して、澪と二人でベビーセンターへ向かう。

「いや、ちょっと待てって!
真奈美が言ったんだろ?
ランドは、ママや赤ちゃんにも優しいって?」

「で、なんで澪ちゃんを預けることになるんですか!」

「・・・えーと・・じゃ、何しに?」

「はぁ・・もう直ぐ、澪ちゃんのミルクの時間でしょ?
澪ちゃんのオムツも見てあげたいし!」

「え?
澪のカバンにミルクもオムツも無かっただろ?
だったら、どっかカフェで・・」

「・・・もしかして、6ヶ月の赤ちゃんに、カフェで牛乳飲ませようと思ってます?」

「いや、牛乳とは・・・」

「はぁー・・・だから、さっき言ったじゃないですか?
何でも揃ってるって?」

「あぁ、そんな事言ってたな?」

「ミルク飲んだら、澪ちゃん少し遊びましょね?」

「遊ぶって・・?」

「禎憲さんが乗れる物なら、澪ちゃんも大抵のれますよ?」

「それって絶叫系が乗れない俺に、臆病者って言ってる?」

「そんなこと言ってないですよ?
人それぞれ、得手不得手は有りますからね?
それが何であれ、他人に迷惑かけるわけじゃないでしょ?」

「真奈美のそう言うとこ好きだわ」
禎憲は真奈美の頬へ“ちゅっ” と、キスをした。

え?




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