無愛想な同期の甘やかな恋情
これを出すつもりでいたから、他に新しい案はない。
穂高君から連絡がもらえない以上、次の会議での発表は見送らざるを得ない。


「……はあ」


無意識の溜め息をもう一つ重ねた、その時。


「どうした? 珍しく煮詰まってるみたいだけど」


頭上からクスクス笑いと共に声をかけられ、私はハッとして顔を上げた。
Tシャツの上から白衣を纏い、定食のトレーを両手で持った間中さんが、私の横に立っている。


「っ! ま、間中さん!」

「お疲れ様。前、いい?」


彼は、私の前の空席を見遣った。


「ど、どうぞどうぞ!」


一瞬、ドキッと胸が弾んだ。
だけど私は、辺りに糸山さんもいるんじゃないかと、反射的に探してしまう。


間中さんは、私の向かい側に移動してから、「どうかした?」と訊ねてくる。
私は、慌てて首を横に振った。


ぎこちなく笑顔を返すと、間中さんはトレーをテーブルに置き、椅子を引いて腰を下ろした。
「いただきます」と言いながら箸を持ち、早速食べ始める彼を、私は上目遣いに窺ってしまう。
私の視線に気付いたのか、お味噌汁を啜っていた間中さんが、ふっと目を上げた。


「ん?」


短く問いかけられ、私はそれにも慌てて、目を逸らす。
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