無愛想な同期の甘やかな恋情
「すみません、不躾に」


あたふたする私を、間中さんは面白そうに笑った。
細めた目がふっと下に向き、彼が私の手元の資料に気付く。


「それ、次の企画資料?」


彼の視線を追って、私も資料に目を落とした。


「ええと……いいえ」


返事のし方が、なんだか曖昧で微妙になってしまったのは、自分でもわかる。
間中さんも、訝しそうに眉尻を上げた。


「『AQUA SILK』の企画じゃないんです。まだそんな余裕ないだろって、穂高君に怒られちゃって」


ぎこちなく続ける私に、間中さんは「あーあー」と間延びした声を漏らして苦笑した。


「まったく、君たちは。社内一の『名コンビ』が喧嘩するなって、何度も口を酸っぱくして言ってるのに」


ボヤくような彼から、私は黙って目を伏せた。


「でも、歩武にしては珍しいな。冴島さんの企画なら、なんでも協力するだろうと思ってた」


それを聞いて、私は一度ゴクッと唾を飲んだ。
テーブルの上に両手を置き、ギュッと握りしめる。


「協力してほしかったんですけど、誤解……されちゃって」


間中さんが茶碗を手に持ち、「誤解?」と聞き返してくる。


「……間中さんと創りたくて、企画したんだろって」
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