無愛想な同期の甘やかな恋情
「あ、それは……!」


思わず声をあげた私を、腰を浮かした彼が、「ん?」と言って振り返る。


「あ、いや、えっと……」


無意識に止める形になってしまい、私は目を泳がせて口ごもった。
けれど、間中さんは「ああ」と言って納得した表情を見せる。


「これは、歩武用?」


穂高君がこのショップのジェラートが好きという情報をくれたのは、他でもない間中さんだ。
彼は私の意図を即座に読んで、クスクス笑う。


「すみません。今夏の新作と聞いて買ってきたので……」


なぜだか頬が熱くなるのを感じて、私は膝に両手をついて、肩に力を込めて返事をした。


「OK。わかった」


そう言って、間中さんは鮮やかなピンク色の木苺のジェラートを手に取った。
糸山さんが「冴島さんもお先にどうぞ」と勧めてくれて、私は無難にフローズンヨーグルトを選ぶ。


ジェラートを手にした私たちに、糸山さんがプラスチックのスプーンを手渡してくれる。
間中さんは、早速蓋を開けてスプーンを差し込み、一口目を口にした。
彼が「美味い!」と歓声をあげた時。


「あ。……間中さん」


事務所の出入口から、短い声が聞こえた。
呼ばれた彼だけでなく、私もつられてそちらに顔を向けて……。


「穂高君!」


なぜだかドキッとしながら、腰を浮かした。
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