無愛想な同期の甘やかな恋情
「ねえ、なんで!」


私は腰を曲げて、穂高君の頬を両手でぎゅうっと押さえ込んだ。
逃げられないように固定して、彼の端整な……いや、今はひょっとこみたいになってる顔を覗き込む。
一瞬、彼の頬が赤く染まったかと思うと……。


「お前に好きだって言った後で、そんなこと言えるわけないだろうが!」


珍しく声を荒らげた穂高君に、攻め込んでいた私の方が虚を衝かれてしまう。


「っ、え?」


彼の目の前で何度も瞬きを返す。
穂高君は私の両手首を片手で掴み取り、勢いよく立ち上がった。
一瞬にして見上げる体勢になり、私は大きく喉を仰け反らせる。


「『間中さん』を魔法使いだ、なんて言って。それが好きになったきっかけだなんて話聞いて、どんな顔して言えって言うんだよ。『お前の魔法使いは俺だから、間中さんじゃなくて俺を好きになれ』って、そう言ってよかったのか!? お前が困るだけだっただろうが!」

「っ……」


彼の手に、ぎゅうっと力がこもる。
掴み取られた両手首が痛いけれど、それよりも今、私は彼に圧倒されてしまって、声も出ない。


「俺だって複雑だったよ。美紅は間中さんを頼って依頼してきたんだから、なんて変な気使って、間中さんを装わなきゃよかった。最初から『穂高』って名乗っときゃ、同じチームになれた時から、お前の目を俺に向けられたのか?って」
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