無愛想な同期の甘やかな恋情
早口で一気に捲し立てて、穂高君はきゅっと唇を噛んだ。


「でも、違うだろ。お前の企画した商品を研究するようになって、三年。社内では『名コンビ』なんて言われても、美紅は俺に目もくれなかった。だから、一度逃したきっかけなんか、今さらどうでもいい。俺は仕事で……正攻法で攻め込む。そう言っただろ」


ハッと浅い息を吐き、顔を伏せた穂高君に。


「……うん」


私は、静かに頷いて返事をした。
彼は大きな手で顔を隠し、私から背けてしまうけど。


「でもね、穂高君。私はその……私の傷心に付け込むって言った、ちょっとズルい穂高君も、好きで」

「……え?」


独り言みたいにボソッと言った私に、穂高君は一拍分の間を置いてから聞き返してきた。
顔から手を離し、私に探るような視線を向ける。


「あの……だから。私、いろんな穂高君、全部好き。私の夢を叶えてくれた、本当の魔法使いが穂高君だって知って、もっともっと好きだって思えて……」


言っていて、自分でも恥ずかしくて堪らなかったけれど、穂高君が大きく見開いた目で私を見つめているから、必死に笑顔を向けた。


「その……私、穂高君のこと、ものすごく好きになりました」


穂高君が、ゴクッと喉を鳴らした。
私が告げた言葉が、ちゃんと届いているのかわからないくらい呆けていて、反応が返ってこないことに焦らされる。
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