無愛想な同期の甘やかな恋情
「ほ、穂高君。なにか言って」


返事をねだっているようで、私はちょっと拗ねた気分になり、穂高君から目を逸らした。


「ああ……ごめん」


穂高君の返事は、なんだかまだ上の空といった感じだったけど。


「……悪い。なんか感無量で、気の利いた言葉が浮かんでこない」


どこまでも素で呟く彼を、私はそおっと見つめた。


「き、気なんか利いてなくていい」


目の下を赤く染めた穂高君にドキドキしながら、私はゆっくり彼の手を解いた。
そして、彼の白衣をきゅっと掴む。
穂高君は、自分の胸元の私の手を、顎を引いて見下ろし……。


「俺とお前の間に、際限はないんだろ?」


一瞬前とは打って変わって、なにか挑むように口角を上げた。


「え?」

「ものすごく、じゃ足りない。俺はそれよりもっとずっと、お前が好きだから」

「……!」


そう言って、照れ臭そうにはにかんだ笑みを浮かべる穂高君に、私の胸は悔しいほどきゅんとする。
穂高君は、激しくときめく私を、知ってか知らずか。


「美紅」


私の頭の後ろに手を回し、優しくそっと抱き寄せてくる。
そして。


「もっと、俺に溺れて」


私の耳元で、反則なほど、甘く囁いた。
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