無愛想な同期の甘やかな恋情
「っ」


喉の奥で音を立てて息を吸い込み、一瞬そのまま呼吸を止めた。
穂高君は、私の肩に顎をのせ、ショーケースを見下ろしている。


「あと、二つ……三つ? でもまあ、直に溢れるほどになるだろうな」


言葉を紡ぐ彼の唇が、私の耳を掠める。
私が着ているTシャツ越しに、穂高君の裸の胸から、体温が伝わってくる。


激しく打ち鳴る胸の鼓動を意識して、私が身を竦めたのも、伝わったのだろうか。
彼は、クスッと小さく笑った。


「なあ、美紅」

「……なに?」


身体に回された彼の腕を気にして、なんだか警戒したような聞き方になってしまう。


「お前のこの宝物たち。今までのもこれからのも、全部俺と共有しない?」

「……? もう、してるよ?」


穂高君がなにを意図して言っているのかわからず、私はきょとんとして肩越しに振り返った。
すぐそこにあった彼の端整な顔が、一瞬困ったように歪む。


「それは、感覚……意識的にだろ? そうじゃなくて、物理的に」

「え?」

「……語感で読んでくれって言っても、伝わらないか」


穂高君が、なんだか重い溜め息をつく。
がっくりとうなだれる彼に、私は何度も瞬きを返した。
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