一目惚れの彼女は人の妻
俊君の話題を、加奈子の方から持ち出されたのは予定外だったけど、話が速くて良かったと思う。俊君が如何にカッコいいか、説明しなくて済んだし。
「彼の名前はね、中山俊輔っていうの。優秀なSEなのよ?」
「へえー、俊君かあ」
加奈子が”俊君”と言ったのを聞いて、私は嫌な気持ちになってしまった。私以外の人に、”俊君”と呼んでほしくなかった。いわゆる、嫉妬だと思うけど。
「”俊君”って呼ばないで」
「へ? なんで?」
「なんでもよ」
「変なの。じゃあ、”俊輔君”って呼ぶわよ。それならいい?」
「う、うん。ごめんね?」
あっ。そうだった。”俊君”って、俊君の彼女がそう呼んだんだった。つまり”俊君”はあの可愛い子の専売特許、もしくは登録商標だ。でも、今更他の呼び方は出来ないし、まあ、いいわよね?
加奈子は、俊君の話は終わったと思い、姿勢を戻してパンケーキを突き出したけど、本題はむしろこれからなのよね。加奈子、びっくりするだろうなあ。
「その俊君、なんだけど……」
だめだ。可笑しくて、つい顔がニヤけてしまう。
「宏美は”俊君”って呼ぶんだ? あたしにはダメって言ったのに」
「そこはスルーして?」
「あ、そう。でも、なんでニヤけてんの? 気持ち悪いんだけど」
「ごめん」
やっぱり顔に出てたか。私は顔のニヤケを直し、コホンと咳ばらいを一つして言った。
「俊君はね、加奈子風に言えば、あの”爽やかイケメン彼女持ち年下スキル高め痴漢男”だったのよ」
「彼の名前はね、中山俊輔っていうの。優秀なSEなのよ?」
「へえー、俊君かあ」
加奈子が”俊君”と言ったのを聞いて、私は嫌な気持ちになってしまった。私以外の人に、”俊君”と呼んでほしくなかった。いわゆる、嫉妬だと思うけど。
「”俊君”って呼ばないで」
「へ? なんで?」
「なんでもよ」
「変なの。じゃあ、”俊輔君”って呼ぶわよ。それならいい?」
「う、うん。ごめんね?」
あっ。そうだった。”俊君”って、俊君の彼女がそう呼んだんだった。つまり”俊君”はあの可愛い子の専売特許、もしくは登録商標だ。でも、今更他の呼び方は出来ないし、まあ、いいわよね?
加奈子は、俊君の話は終わったと思い、姿勢を戻してパンケーキを突き出したけど、本題はむしろこれからなのよね。加奈子、びっくりするだろうなあ。
「その俊君、なんだけど……」
だめだ。可笑しくて、つい顔がニヤけてしまう。
「宏美は”俊君”って呼ぶんだ? あたしにはダメって言ったのに」
「そこはスルーして?」
「あ、そう。でも、なんでニヤけてんの? 気持ち悪いんだけど」
「ごめん」
やっぱり顔に出てたか。私は顔のニヤケを直し、コホンと咳ばらいを一つして言った。
「俊君はね、加奈子風に言えば、あの”爽やかイケメン彼女持ち年下スキル高め痴漢男”だったのよ」