一目惚れの彼女は人の妻
私が話を終えると、加奈子はお箸を持つ手を止めたまま、「ば……」って言った。"バッカじゃないの?"って言おうとしたんだと思う。間違いなく。
「あんた、ずいぶんはやまった事したね?」
「なんでよ?」
「だって、俊君には彼女がいるんでしょ?」
「あっ」
そうだった。私ったら、すっかり忘れてた。あの勝気そうだけど可愛い子の存在を……
「彼女だけじゃ飽き足らないから、痴漢するわけでしょ? よくわからないけど。だったら、彼女に宏美がプラスされたって、変わらないんじゃない? たぶん色んな女を触りたいんだと思うよ」
「確かに……」
そもそもが無駄な努力だったのか。私って、本当にバカだわ。
「それにしても、大胆な事したよね。宏美にそういうところがあるなんて、びっくりだわ。もし、あそこを触られたらどうすんのよ?」
「べ、別にいいかなって……」
「あちゃー。そんなに好きなんだ? 俊君の事」
「うん」
そう。私はどこをどう触られてもいいと思った。むしろ、触ってほしかった。俊君が望むなら、私、何をされてもいいわ。なんて、昔の歌謡曲にそんな歌詞があったような……
「結局、頬っぺと唇以外は触られなかったんだけど、その理由を私なりに考えたのね。そしたら2つ思いついたの」
「うんうん」
「そのひとつはね、とても残念な事なんだけど、私の体に魅力がないから」
「それはない」
真顔の加奈子に、速攻で否定されてしまった。私も内心、それはないかなと思ってたけども。
「あんた、女の私から見ても、エッチな体つきしてるもん」
「エッチな体つきって……」
「そこはいいから、もうひとつは?」
「うん。俊君の痴漢癖は、嫌がる女性を虐める所に趣きがあるって言うかで、逆に触れって言われたから、興醒めしたのかなって……」
こっちの説にはかなり自信があったのだけど……
「それも違うと思うな」
と、言われてしまった。
「あんた、ずいぶんはやまった事したね?」
「なんでよ?」
「だって、俊君には彼女がいるんでしょ?」
「あっ」
そうだった。私ったら、すっかり忘れてた。あの勝気そうだけど可愛い子の存在を……
「彼女だけじゃ飽き足らないから、痴漢するわけでしょ? よくわからないけど。だったら、彼女に宏美がプラスされたって、変わらないんじゃない? たぶん色んな女を触りたいんだと思うよ」
「確かに……」
そもそもが無駄な努力だったのか。私って、本当にバカだわ。
「それにしても、大胆な事したよね。宏美にそういうところがあるなんて、びっくりだわ。もし、あそこを触られたらどうすんのよ?」
「べ、別にいいかなって……」
「あちゃー。そんなに好きなんだ? 俊君の事」
「うん」
そう。私はどこをどう触られてもいいと思った。むしろ、触ってほしかった。俊君が望むなら、私、何をされてもいいわ。なんて、昔の歌謡曲にそんな歌詞があったような……
「結局、頬っぺと唇以外は触られなかったんだけど、その理由を私なりに考えたのね。そしたら2つ思いついたの」
「うんうん」
「そのひとつはね、とても残念な事なんだけど、私の体に魅力がないから」
「それはない」
真顔の加奈子に、速攻で否定されてしまった。私も内心、それはないかなと思ってたけども。
「あんた、女の私から見ても、エッチな体つきしてるもん」
「エッチな体つきって……」
「そこはいいから、もうひとつは?」
「うん。俊君の痴漢癖は、嫌がる女性を虐める所に趣きがあるって言うかで、逆に触れって言われたから、興醒めしたのかなって……」
こっちの説にはかなり自信があったのだけど……
「それも違うと思うな」
と、言われてしまった。