恋する耳たぶ
「少しクリーム色っぽいものにする方もいますけれど、まだお若いし、色白だから、この真っ白なドレスが映えますね」
またしても褒めてくれる女性の言葉が、なんだかむずがゆい。
いつもの癖で、いやいや、と否定しようとしたけれど。
私はもう一度、鏡に映る自分を見て、今度は否定せず、ただ曖昧に笑ってみることにした。
だって、今日の私は、多分、今まで生きて来た中で一番きれいになるよう、手をかけられている。
それに、この姿はこの人達の仕事の成果でもあるんだし。
今の私の姿を作るべく、朝早くから働いてくれていた、もう1人の女性スタッフを見ようと目線を上げたら、鏡の中の私は初々しく頬を染め、はにかんだ微笑みを浮かべていて、思わずぎょっとしてしまった。
「……どうかしました?」
「あ、いえ……なんでも……」