恋する耳たぶ
鏡に映る、見たこともないくらい幸せそうな自分が恥ずかしくて。
これ以上、見ていられないと思った私は、すぐにドレスをつまみ、部屋を出ることにした。
いつもと全然違う、こんな姿の私を見せるのは恥ずかしいし、かなり緊張するけれど。
見て欲しい気持ちもあって、ついつい私は急ぎ足になる。
この状態の、今の私を見て、匡さんは、なんて言うかな?
そう思うと、少しの不安とワクワクと、なんだか変な緊張感が込み上げてくるのを感じる。
初めての時はいつだってそう。
だけど、相手が特別な人なら、それは尚更で。
慣れないヒールと裾の長いドレスで少しぎこちないのを、裾を持ってくれているスタッフさんにサポートしてもらいながら、エレベーターに乗る。
目的の階につき、ドアが開くと、ちょうど正面にタキシードを来た男性の後ろ姿があった。
……匡さんだ。
匡さんはステキな人だ。
私にはもったいないくらいの、本当にステキな人。
そんなことはわかりきっていたけれど、今、すぐ目の前にいるこの人は、ごく控えめに言って……なんというか、その…………かっこいい。