恋のはじまりは突然に
「お待たせ致しましたぁ」

そこに私と清美が頼んでいた料理が運ばれてきた。

「焼き鳥アラカルトとエイヒレとポテトフライと大根サラダと軟骨唐揚げですね」

そう言って次々と料理を並べていく。

「あっ、お二人は御注文まだでしたか……?それでしたら、今しませんか?」
「ありがとう。蓮司の新しい彼女は気が利く子だね」
「お前……ふざけてんのか」

もう私は控えめに笑うことしか出来ない……。

蓮司さんという人も嫌かもしれないけど、私だって選ぶ権利くらい欲しい。

確かに私に優しくしてくれる人がいいとは言ったけれど、彼がいいとは一言も言っていないんだけどな……。

「蓮司、適当に頼んでもいい?」
「あぁ」

それだけの会話を交わすと奏多さんという人は、メニュー表を見ながらパパパッと頼んだ。
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