恋のはじまりは突然に
「あれ?結奈?」
「え、清美……?」

薄暗くて最初誰か分からなかったけど、あの日から連絡を取っていなかった清美と、まさかのタイミングで再会をした。

「って、蓮司?まさかお前ら」
「やだぁ!一緒ぉ〜?!」
「一緒じゃないから、勘違いするな」
「えー?何だかんだ言って、私とゴハンしてくれるくせに!」
「それは、仕方なくだよ」
「ひどーい」

あの日以来の清美たちは、すごく仲が良くなっていて、今の私にはすごくツラかった。

「奏多さん……でしたよね?清美は良い子だから、これからもよろしくお願いしますね」

ツライけど清美に当たるのは間違ってる。だから今出来る笑顔で奏多さんに伝えると清美は頬に両手を当てて恥ずかしがっていた。

「じゃあ、清美。近々連絡するね」
「えっ、せっかく会ったんだもん!また4人でゴハンしよう?」
「ごめん、私ちょっと飲み過ぎちゃったみたいだから。あ、蓮司さんは一杯しか飲んでないから、大丈夫ですよね?3人で楽しんで。じゃあね」
「え、結奈?!」

素っ気なくしすぎたかな。大丈夫だったかな。でもこれ以上はダメだ。

今泣くわけにいかないんだもん。泣いたら理由聞かれるに決まってるんだから。
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