幼なじみの優しい彼 2
「でもヒカリが怪我とかしたら嫌だから」

「・・・・」

海はいつもいつもこうなんだよね。もうっ。心配性なんだから。

「この前もお皿割ったんだって?おばさんから聞いたよ」

うっ、バレてたか。うちのママったらなんでも海に言うんだから。

うちの家と海の家はご近所さんで、家族ぐるみで仲がいい。

だから私の個人情報も彼にはしょっちゅう、筒抜けだ。

「今朝は、ごめんな。ずっと謝ろうと思ってたけどヒカリ凄い顔で睨んでるからなかなか言い出せなくて」

言って彼は、私の手をそっと握った。うっすらと、その顔が赤いような気がした。

「え?そんな凄い顔で、睨んでた?私ったらやだな」

「いや、可愛い顔で睨んでた。」

慌てて彼が言い直す。

「ごめんね、私のほうこそ。いつも海にばかり謝らせてるね」

「いいよ、どっちから謝ったってそんなの一緒だろ」

海とは幼稚園の頃からずっと一緒で、喧嘩もよくしたけどいつも、謝ってくれるのは彼のほうからだった。
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