幼なじみの優しい彼 2
「ちょっとだけだよ。じゃ、ちょっとここに座って」

「うん」

彼を丸椅子に座らせて、一歩近づいた。

「海、目を閉じてね」「はいはい」

目を閉じた彼の睫毛は長くて、見慣れている私でもドキドキした。

そっと彼の柔らかい髪に手を伸ばし、優しく撫でてあげる。

ちょっと恥ずかしいんだけど、こうやって座っている彼の頭を、ナデナデしてあげるのが最近の私達のブームなのだ。

「ヒカリ、今日は一緒に帰れる?」

気持ちよさそうに頬を緩ませながら、目を閉じたまま、尋ねる彼。

「うーん、ごめん。今日も無理なんだ」

「え?今日も一緒に帰れないの?どうして?」

驚いたように目を開く彼と視線がぶつかって、急に恥ずかしくなって胸がきゅっとなる。

私のほうから、かなり近づき過ぎていたので、慌てて離れた。

「ごめんね、ちょっと用事があるんだ」
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