幼なじみの優しい彼 2
せっかくの誕生日に彼を喜ばせたくていろいろ考えていたけれどこんなに彼を傷つけてしまっていたなんて、本末転倒だよね。

そうなんだ、私はいつもいつもたくさんの優しさをくれる海に、なにかしてあげたかったの。

ずっと思ってた。私はいつも彼に頼るばかりで、何一つ彼女らしいことをしてあげられない。

勉強もスポーツも彼にくらべたら平凡だし、容姿だって超普通の私。そんな私を海はずっと好きでいてくれたんだもん。

だから、せめていい彼女になりたかったの。それだけだったの。

「ごめん、ごめんね」

「ヒカリ、泣かないで。俺の気持ちは変わらないよ。この気持ちは変えられないし、太一なんかよりもずっと俺のほうが君を愛してる」

彼のその優しい告白を聞いてますます涙が溢れだしてきた私は、泣きながら真実を話した。
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