幼なじみの優しい彼 2
「ちちち、違うの。あのあの誕生日のプレゼントだったの、海は天体観測が好きだから、でもお小遣いが足りなくて、バイトして・・それでそれで」

でも、胸がいっぱいで、全然うまく説明できなくてますます焦ってしまう。

「バイトは太一君の紹介で、でもお皿割ったりドジばっかりしてて。でもプレゼントのために頑張らなきゃって。私、いい彼女になりたくて。
サプライズで喜ばせてあげたいって、だから内緒に、ウッ、ヒック、ウウッ
でも海のこと傷つけて、こんなんじゃいい彼女になんてなれっこない」

ウッ、ウッ、てしゃくりあげながら泣き出す私を、海は何も言わずパチパチと瞬きしながら見つめる。

凄くびっくりしているようだ。

ああ、どうしよう、ちっともうまく話せないよ、海にちゃんと伝えたいのに、どうしたらいいの?

すると、瞬きしたせいか海の瞳にたまっていた涙が一筋の道になって流れ落ちた。
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