幼なじみの優しい彼 2
海の顔に涙がつたって落ちていくのがドキドキするほど綺麗だった。

あ。海も泣いてる。どうしよう。

私は急いで、スカートのポケットからハンカチを取り出そうとした。

すると一緒にポケットに入っていたスマホも落としてしまう。

「あ、スマホが」

海がそれを拾ってくれようとして伸ばした手が止まる。

画面には、いつも私が何回も検索している天体望遠鏡の画像が映し出されていた。

「あ、待って、みないで。海」

急いでスマホを拾い上げると、彼からは見えないように胸にぎゅっと隠すように押し付けた。

ワーッ、彼に見られちゃったよ。誕生日のサプライズプレゼントにしようと思っていた天体望遠鏡。

海が今使っているのは小学校の頃に買ってもらった超初心者用のものらしくて、今はもっと性能がいいものが発売されているしいつか欲しいなと言っていた人気モデルの天体望遠鏡だった。
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