幼なじみの優しい彼 2
「う、うんまあ、そうだけどなんで、どうして、私に黙ってたの?」

「それはもちろん」

「・・・」

海が、人差し指を私の鼻先すれすれに近づけて呟く。

「サ・プ・ラ・イ・ズ、サプライズだよ」

なに、(お・も・て・な・し)みたいに言っちゃってんのよ?海。

「びっくりした?ヒカリ?」

彼は無邪気な笑顔でニコニコ笑っている。

「びっくりしたよ、そりゃ。太一くんも私に内緒にしてるんだもん」

「嬉しくないの?ヒカリ?」

海が私のウェイトレスの制服の肩あたりをつまんできたので、ドキッとした。

「う、嬉しいけど。でも、仕事とプライベートは別だからねっ。いーい?ここでは私の方が先輩なんだからね」

肩に置かれた手を毅然とはらいのける。

急にキャリアウーマンにでもなった気分だ。

「わかりました、先輩」

海もクスクス笑いながら返事をする。
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