初恋をもう一度。【完】
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「鈴木湊人」さんからの友達申請を許可して10分後、1通のメッセージが届いた。
差出人はやはり「鈴木湊人」だった。
『奈々ちゃん久しぶり。6年振りかな。申請許可してくれてありがとう』
懐かしさで胸がいっぱいになる。
「鈴木くん、久しぶり。突然でびっくりした」
『実は、奈々ちゃんとなんとか連絡が取りたくて友達に相談したら、SNSで探せばって言われて。慌てて登録して検索しました』
「そうだったんだ」
わたしと連絡を取りたいと思ってくれたんだ。
素直にとても嬉しかった。
実は、わたしも以前に、鈴木くんを検索したことがあったから。
もちろんその時は見つからなかったけれど。
彼がこのSNSを最近までやってなかったのなら、見つかるわけがない。
『検索とか気持ち悪いことしてごめんね』
「全然。連絡してくれて嬉しい」
『よかった。奈々ちゃんがどうしてるか、ずっと気になってたから』
「わたしは元気だよ。鈴木くんは?」
わたしが訊くと、少しだけ間が空いてから
『元気だよ』
と返ってきた。
『これからたまにメッセージ送っても大丈夫?』
「うん、いつでも連絡して」
わたしがそう送ると、「Thank You」という可愛らしい猫のスタンプが返ってきた。
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