モノクロに咲く花~MadColors~
いつの間にか屋上に来ており、鍵が開いていたので一花は自然と縁のほうへ足が進んでいく。
手すりに
手を掛けたところで、背後から声がした。

「如月さん……?」

突然の声掛けに、勢いよく一花は振り返った。

「えっ、い、壱川君?!どうしてこんなところに?」

「それはお互い様なんじゃないかな?」

口の端を上げてにこりと笑った彼に一花が動揺していると宙が続ける。

「ちょっと一人になりたかったから、先生に屋上に誰かいるから見てきますって言って鍵借りちゃった
んだ」

「……壱川君も、そういうことがあるの?」

「何かあった?なんだか泣きそうな顔をしているし、……さっきの様子、尋常じゃなかったよ」

「……壱川君……」

その優しい問いかけに、一花は兄を思い浮かべる。この人なら分かってくれるかもしれない、という一縷の望みをかけて、勇気を出して話し始めた。

「あのね……私、昔っから暗いし友達も全然いないから家でも学校でも居場所がないの。学級委員やっているけどもみんなやりたがらないから私が押し付けられたってだけで…結局は都合のいい存在にしかなってないんだ。」

まとまりのない自分の喋りに、拒絶されるのではないかという不安と戦いながら、一花は続けた。

「さっきも体育の種目を決めるために司会したんだけど、誰ひとり真剣に聞いてくれなくて結局何も決まらないまま終わっちゃって……先生からもちゃんとしてくれってキツイこと言われて落ち込んでた」

「そうだったんだね……」

宙はじっと一花の話を聞いている。その様子に、一花は安堵を覚える。

「昔っからこんな感じなの、私の人生って。何で私の人生こんなに明るくないんだろうって、考えてて……」

「……」

重い雰囲気になったので、一花は苦笑いしながら宙から顔を背ける。

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