モノクロに咲く花~MadColors~
六限が終わるとクラスメイトの面々は体を伸ばす、おしゃべりを始めるなど、好きなことをしている。
一花はため息をついた。クラスメイトの殆どは一花の纏めた内容を発表しており、一花は理不尽さを感じていた。
特に、六限中殆ど居眠りをして今もなお眠り続けている三上には厳しい視線を送った。彼は授業をサボ
ると言っていたが、結局出ていたのだ。グループ発表で自分の番になり一花が調べたものを渡しても、課題は忘れたの一点張りで、一花をはじめ他の班員はかなり焦ったのだった。
特に用事も無かったのでさっさと帰ろうと鞄を持って立ち上がり、教室を出ようとすると、目の前に数
人の女子生徒が立っていた。
「ねえ、掃除当番代わってくれない?」
「え?だって昨日も……」
「いいでしょ、どうせ帰っても勉強で、予定なんて無いんでしょ?」
7
「……それは……」
「はい決まり。雑巾がけヨロシク」
女子生徒は周りに聞こえるように大きな声で一花に圧をかけると、水の入ったバケツと雑巾数枚を一花に押し付けて、カラオケに行く集団に混ざっていく。
一花は自分の臆病さに嫌気が差しつつも言い返せないため唇を噛む。奴隷のように扱われる生活を望んでいないのに。汚れた水の入ったバケツを持って水道まで歩き始めた。
昼に頑張ってしまったせいか、頭が朦朧とし、よろよろと歩く。ふらっとした拍子にバケツの水を廊下に盛大にこぼれた。
「きゃ……」
一花はこぼれた水で出来た水溜りに足を踏み入れてしまい、滑って転んでしまう。その拍子にバケ
ツに入った水が腹から下にかかってびしょびしょになってしまう。
「あ……」
「うわ」
「なにあれ悲惨」近くにいたクラスメイトがその様子を見て驚いたり笑ったりするものの、誰一人として手伝おうともしない。そのクラスメイト達の横を、三上が彼女と共に通りかかる。
「何あの子、やっだきったな……」
「だっせえ、ばっかじゃねえの。いこーぜ」
一花はどうしたらいいかもわからず立ちつくしていた。あまりにも恥ずかしく、誰も手伝ってくれないことにも絶望する。
(こんな動けない状態なのに誰も声を掛けてくれない。心配もしてくれない。私にはそんな価値もないん
だ……)
一花はため息をついた。クラスメイトの殆どは一花の纏めた内容を発表しており、一花は理不尽さを感じていた。
特に、六限中殆ど居眠りをして今もなお眠り続けている三上には厳しい視線を送った。彼は授業をサボ
ると言っていたが、結局出ていたのだ。グループ発表で自分の番になり一花が調べたものを渡しても、課題は忘れたの一点張りで、一花をはじめ他の班員はかなり焦ったのだった。
特に用事も無かったのでさっさと帰ろうと鞄を持って立ち上がり、教室を出ようとすると、目の前に数
人の女子生徒が立っていた。
「ねえ、掃除当番代わってくれない?」
「え?だって昨日も……」
「いいでしょ、どうせ帰っても勉強で、予定なんて無いんでしょ?」
7
「……それは……」
「はい決まり。雑巾がけヨロシク」
女子生徒は周りに聞こえるように大きな声で一花に圧をかけると、水の入ったバケツと雑巾数枚を一花に押し付けて、カラオケに行く集団に混ざっていく。
一花は自分の臆病さに嫌気が差しつつも言い返せないため唇を噛む。奴隷のように扱われる生活を望んでいないのに。汚れた水の入ったバケツを持って水道まで歩き始めた。
昼に頑張ってしまったせいか、頭が朦朧とし、よろよろと歩く。ふらっとした拍子にバケツの水を廊下に盛大にこぼれた。
「きゃ……」
一花はこぼれた水で出来た水溜りに足を踏み入れてしまい、滑って転んでしまう。その拍子にバケ
ツに入った水が腹から下にかかってびしょびしょになってしまう。
「あ……」
「うわ」
「なにあれ悲惨」近くにいたクラスメイトがその様子を見て驚いたり笑ったりするものの、誰一人として手伝おうともしない。そのクラスメイト達の横を、三上が彼女と共に通りかかる。
「何あの子、やっだきったな……」
「だっせえ、ばっかじゃねえの。いこーぜ」
一花はどうしたらいいかもわからず立ちつくしていた。あまりにも恥ずかしく、誰も手伝ってくれないことにも絶望する。
(こんな動けない状態なのに誰も声を掛けてくれない。心配もしてくれない。私にはそんな価値もないん
だ……)