魔法の鍵と隻眼の姫
アストラは躊躇しながらもゆっくりと右目を開くと、そこには赤黒い闇が渦巻いていた。
その瞳を見て息を飲む。
「…生まれた時から何もせずいたのだろう。相当辛いはずだ。よく耐えたな?」
他人の負の感情まで取り込んでしまう瞳だ、相当きつかったに違いない。
よく頑張ったと頭を撫でてやるとアストラは今まで我慢してきたのか大粒の涙を流して泣いた。
「泣いてばかりはいられぬぞ。そなたの強い心で悪しき魂を打ち負かすのだ」
ひとしきり泣いたアストラを叱咤激励し迷いの森へ向かうことになる。
エドガーとクリス・ドリスターの二人の息子ユーリスとエランも同行する事となった。
エドガーと幼なじみの二人が一緒で心強い。
「そんな幼子に戦えるわけが無かろう。耐えられずに死ぬことになるぞ」
迷いの森でヴァルミラの第一声に皆が困惑する。
「それに異色の目の者と鍵となるアドラードとの信頼関係が重要なのだ…、時を掛けるしかない」
アストラが16になるまでにアドラードと信頼関係を結び悪しき魂に打ち勝つ強い心が必要なのだとヴァルミラが説いた。
今すぐは何も出来ないと知り落胆したが一縷の望みを掛けてアストラは迷いの森の梺でアドラードとエランと共に暮らすことにした。
エドガーとユーリスは国での役目があるため時折こちらに出向く事を約束し帰っていった。
迷いの森の梺は小さな村がありアドラードの長寿の子孫達も何人か暮らしていた。
ただ、一人また一人と子孫達は長い生を終え亡くなっていく。
寿命は確実に短くなっていき長くても300歳が限度のようだった。
「私もいずれは死ぬだろう。しかしその前にあの黒い雲を払拭し子孫達が平和に暮らしていける世界を残したい。アストラ、お前もそうだろう?お前の力が必要だ」
右目のせいで周りにはいつも避けられ自分自身も怯え生きてきたアストラはこの地で心穏やかに暮らせる事を喜んでいた。
本当は自分を虐げる父王もこの世界もどうでもいいとまで思っていたが今この地で暮らすアドラードやエラン、村の人々を幸せに出来るのなら自分は何でもすると心を入れ替え頷いた。
1年共に過ごすことで年の差も関係なく友情を深めていったアドラードとアストラを他所に世界は混沌とし、ついには西の地域が独立を宣言し、戦を始めた。
それを切っ掛けにあちこちで戦乱が巻き起こりもう国王の政策は届かぬものとなった。
「アドラード様、もう待てません。このままでは国も人々も苦しみ死んで行くだけです」
命辛々アドラードの元に戻って来たエドガーとユーリスは戦だけでなく空を覆い尽くす黒い雲がもたらす天災にも辟易していた。
その瞳を見て息を飲む。
「…生まれた時から何もせずいたのだろう。相当辛いはずだ。よく耐えたな?」
他人の負の感情まで取り込んでしまう瞳だ、相当きつかったに違いない。
よく頑張ったと頭を撫でてやるとアストラは今まで我慢してきたのか大粒の涙を流して泣いた。
「泣いてばかりはいられぬぞ。そなたの強い心で悪しき魂を打ち負かすのだ」
ひとしきり泣いたアストラを叱咤激励し迷いの森へ向かうことになる。
エドガーとクリス・ドリスターの二人の息子ユーリスとエランも同行する事となった。
エドガーと幼なじみの二人が一緒で心強い。
「そんな幼子に戦えるわけが無かろう。耐えられずに死ぬことになるぞ」
迷いの森でヴァルミラの第一声に皆が困惑する。
「それに異色の目の者と鍵となるアドラードとの信頼関係が重要なのだ…、時を掛けるしかない」
アストラが16になるまでにアドラードと信頼関係を結び悪しき魂に打ち勝つ強い心が必要なのだとヴァルミラが説いた。
今すぐは何も出来ないと知り落胆したが一縷の望みを掛けてアストラは迷いの森の梺でアドラードとエランと共に暮らすことにした。
エドガーとユーリスは国での役目があるため時折こちらに出向く事を約束し帰っていった。
迷いの森の梺は小さな村がありアドラードの長寿の子孫達も何人か暮らしていた。
ただ、一人また一人と子孫達は長い生を終え亡くなっていく。
寿命は確実に短くなっていき長くても300歳が限度のようだった。
「私もいずれは死ぬだろう。しかしその前にあの黒い雲を払拭し子孫達が平和に暮らしていける世界を残したい。アストラ、お前もそうだろう?お前の力が必要だ」
右目のせいで周りにはいつも避けられ自分自身も怯え生きてきたアストラはこの地で心穏やかに暮らせる事を喜んでいた。
本当は自分を虐げる父王もこの世界もどうでもいいとまで思っていたが今この地で暮らすアドラードやエラン、村の人々を幸せに出来るのなら自分は何でもすると心を入れ替え頷いた。
1年共に過ごすことで年の差も関係なく友情を深めていったアドラードとアストラを他所に世界は混沌とし、ついには西の地域が独立を宣言し、戦を始めた。
それを切っ掛けにあちこちで戦乱が巻き起こりもう国王の政策は届かぬものとなった。
「アドラード様、もう待てません。このままでは国も人々も苦しみ死んで行くだけです」
命辛々アドラードの元に戻って来たエドガーとユーリスは戦だけでなく空を覆い尽くす黒い雲がもたらす天災にも辟易していた。