魔法の鍵と隻眼の姫
翌日からミレイアと行くときはなるべく人里を避け森を進んで行ったが、どのくらい復興が進んだか見るための旅なので森を抜け人里のある道を進む。

小さな村の間をゆっくりと進む。
遠目から見ても荒れ果てていた村は崖崩れが整備され川の上には新しい橋がかかり畑には青々とした野菜達がたわわに実っていた。
見違えるほどの光景に心が踊る。

時折崩れたままの家々が立ち並んでいる所もあったが人々は明るい顔を見せ、話しかけると快く今の環境を教えてくれる。

「もう救世主様のお陰でお日様が戻ってきたし災害も減った。有難い限りだよ!」

嬉しそうに話す農婦にトニアスも嬉しくなる。

「僕もこの地域は一度目にしたことがある。ひどい有り様だった…。それがたった1年でここまで立ち直ってるなんて驚きだ」

「ああ、そうだな…」

爽やかな風が吹き抜ける。
ミレイアが今の景色を見れば涙を流し喜んだだろう。
ふと横を見ると嬉しそうに笑うトニアスとミレイアの顔が重なった。

「っ…!」

どきりと胸をうち凝視してしまう。

「ん?どうしたラミン?」

ラミンの視線に気付いたトニアスが首を傾げて覗き混んでくる。
はっと我に帰ったラミンは身を引いた。

「あ、いや…。お前らやっぱり兄妹だな…」

「んん?」

それ以上何も言わないラミンにやっぱり首を捻るトニアスだった。


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