魔法の鍵と隻眼の姫
正面入り口前では貴族達が花道を作り今か今かとリノン王女の到着を待ち望んでいた。
そこへ重厚感のある立派な馬車が横付けされ、
従者が扉を開けるとセイラス王子が待ち構え中にいるリノン王女の手を取った。
ほぅ、はぁ、とあちこちからため息が漏れ出る貴族達。
いつも気軽に訪れていたのとは違い、馬車から出てきたリノン王女はそれはそれは美しく気高い品のある姿だった。
光るブロンドの髪は美しく結い上げられ、サファイアの瞳と同じ青いレースがたっぷりと使われたドレスが良く似合う。
美しく化粧をして微笑むリノンにセイラスは眩しそうに目を細め我が花嫁の頬にキスをした。
「リノン、何時にも増して美しい。今日という日を待ち望んでいたよ」
「ふふっ、セイラス私もよ。今日から私もここで暮らすのね」
「ああ、ようこそノアローズへ、未来の王妃。さあ行こう、父上達が首を長くして待っている」
出迎えた貴族達に手を振りながら、国王が待つ謁見の間へと向かった。
扉の前で構えている兵が扉を開ければ、そこにはもう既に家族と呼べるほど仲良くなった国王王妃トニアスがいてその周りには何人かの側近がいる。
本来なら国王王妃は玉座に座っているはずが全員立ってなにやら談笑をしている。
「父上、リノンが来ましたよ」
「おお、リノン!良くぞ来てくれた!待っておったぞ!」
「国王様、ご機嫌麗しゅう……」
「ああ、よいよい。堅苦しい挨拶は抜きだ」
「え?」
本来ならば謁見の間では玉座に座る国王に挨拶をして今日からノアローズの国民と共に生きる事を宣言するところなのだが国王は手を振ってそれを止め、王妃は微笑んでこちらへいらっしゃいと手招きする。
「あの…セイラス?」
何でこんな事になってるのか不思議でセイラスを見ると嬉しそうににこりと笑いリノンの手を引いた。
「おいで、リノン」
国王達の輪に入っていくと顔の見知った側近達もなにやらこそこそと話している。
モリスデンにドリスター公爵、そしてドリスター公爵の息子ラミン。
そこへ重厚感のある立派な馬車が横付けされ、
従者が扉を開けるとセイラス王子が待ち構え中にいるリノン王女の手を取った。
ほぅ、はぁ、とあちこちからため息が漏れ出る貴族達。
いつも気軽に訪れていたのとは違い、馬車から出てきたリノン王女はそれはそれは美しく気高い品のある姿だった。
光るブロンドの髪は美しく結い上げられ、サファイアの瞳と同じ青いレースがたっぷりと使われたドレスが良く似合う。
美しく化粧をして微笑むリノンにセイラスは眩しそうに目を細め我が花嫁の頬にキスをした。
「リノン、何時にも増して美しい。今日という日を待ち望んでいたよ」
「ふふっ、セイラス私もよ。今日から私もここで暮らすのね」
「ああ、ようこそノアローズへ、未来の王妃。さあ行こう、父上達が首を長くして待っている」
出迎えた貴族達に手を振りながら、国王が待つ謁見の間へと向かった。
扉の前で構えている兵が扉を開ければ、そこにはもう既に家族と呼べるほど仲良くなった国王王妃トニアスがいてその周りには何人かの側近がいる。
本来なら国王王妃は玉座に座っているはずが全員立ってなにやら談笑をしている。
「父上、リノンが来ましたよ」
「おお、リノン!良くぞ来てくれた!待っておったぞ!」
「国王様、ご機嫌麗しゅう……」
「ああ、よいよい。堅苦しい挨拶は抜きだ」
「え?」
本来ならば謁見の間では玉座に座る国王に挨拶をして今日からノアローズの国民と共に生きる事を宣言するところなのだが国王は手を振ってそれを止め、王妃は微笑んでこちらへいらっしゃいと手招きする。
「あの…セイラス?」
何でこんな事になってるのか不思議でセイラスを見ると嬉しそうににこりと笑いリノンの手を引いた。
「おいで、リノン」
国王達の輪に入っていくと顔の見知った側近達もなにやらこそこそと話している。
モリスデンにドリスター公爵、そしてドリスター公爵の息子ラミン。