魔法の鍵と隻眼の姫
「お前は寝てろ。ったく、国王は俺の事が嫌いだよな、必ず邪魔してくる」

「ふふっ、そんなことないと思うけど」

くすくす笑うミレイアをちゃんとベットに寝かせて腰を下ろし頭を撫でた。

「溺愛してるお前に手を出したんだ。国王にしたら俺は最大の憎き相手だろう?」

「でも、お父様はラミンの事好きよ、きっと。好きな子にはイジワルしちゃうってよく言うでしょ?」

「やめてくれ気色悪い。これからもずっと続くと思うと思いやられる」

心底困った顔をするラミンに思わずミレイアは声を上げて笑った。
そんなミレイアの笑顔が眩しくて愛しくてずっと見ていたいとラミンは思う。

「どんなに邪魔されたって、お前の笑顔に会えるなら甘んじて受けるしかないな」

「きっとすぐに気が済んでお父様は許してくれるわ。ラミン、私の側にずっといてくれるでしょう?」

「当たり前だ、お前の為ならどんな仕打ちも耐えてみせるさ」

「ふふっ、頑張ってね、ラミン」

ミレイアは横に手を付き顔を近づけるラミンの首に手を掛け引き寄せた。
一瞬目を見開いたラミンは微笑みかけてくるその紫の瞳を見つめ自然と言葉が紡がれる。

「愛している、ミレイア」

「私も愛してる、ラミン」

しっとりと唇を合わせ微笑み合うとラミンは立ち上がり振り向いた。

「ちゃんと寝てろよ、体力戻さないとセイラスの結婚式に出席できないからな」

「お兄様の結婚式には絶対出ます!」

「じゃあ、大人しくしてろよ」

ムキになって言うミレイアににやりと笑い、ラミンは部屋を出ていく。

その後ろ姿を見送りミレイアはほうっとため息をついた。
実は、長い眠りから目覚めてからのラミンの過保護ぶりに驚き少し不満もあるけれど…。
目覚めさせてくれたラミンに感謝してるし、想いが通じ合った幸せにこの胸は満ち溢れてる。
これからも父王のやきもちはラミンを悩ませるだろうけど、自分が慰めてあげよう。
きっとラミンは負けずにずっと傍に居てくれるはずだから。

愛し愛される喜びを知ったミレイアは幸せな微睡みに浸りながら微笑み瞳を閉じたのだった。



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