魔法の鍵と隻眼の姫
「話を戻すけどー」
つまんなそうなオクルドの声にミレイアとシャルーが注目する。
そうだ、オクルドが鍵の話をし出したんだ。
「鍵の事はわかんないけど、古い言い伝えを知ってる人なら知ってるぜ。何でも縁の物があるとか」
「その方はどちらに?」
もしかしたら手掛かりになるかも知れない。
前のめりになりオクルドを見つめる紫の瞳に顔を赤くしながら恥ずかしそうに言った。
「ここにはいないんだ。何かの用事でこの町に来ていた牧師なんだが、シエラ王国のアレキサンドと言う村に唯一ある教会に住んでると言っていた。その縁の物っていうのが100年に一度教会で公開してるって話だ。詳しい話までは聞いていないから何の言い伝えの事かも分かんないけど…」
言い終えるとキラリと目を輝かせる紫の瞳と目が合って一瞬固まるオクルド。
ミレイアはオクルドの手を取ってにっこりと笑った。
「ありがとう!とっても良い情報を頂きました。きっとそこに行けば鍵についても何か判るかもしれません!」
「え、いや、そう?なら良かった」
「おい、もういいだろ?」
「その手を離せ!」
手を握られ耳まで真っ赤なオクルドにやっかみで引き剥がそうとするシルビーとアントニオ。
オクルドは負けじとミレイアの手をもう片方の手で掴もうとしてる。
シャルーも加勢しようと手を出そうとした。
「お前だけずるいぞっ、イテッ」
テーブルのささくれに引っ掛かったようで手の甲に一筋傷をつけてしまった。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。ただの引っ掻き傷だから」
何でもないよと手を振るシャルーにミレイアは、あっ、と言ってオクルドの手を離し自分の鞄を開けガサゴソ探り出した。
「これ私が作った軟膏なんですよ。傷や痛みによく効くんです。手を出して下さい」
シャルーがそう?と顔を赤くして手を出すとミレイアは軟膏の蓋を開けそっと手を取る。
お兄様達ともラミンとも違う薄くて掌にタコがある少し冷たい手。
何となくそう思いながら丁寧に傷に軟膏を塗ってやった。
回りの者達はその光景を羨ましそうに固唾を呑んで見守る。
最後にミレイアの掌が傷を包み温かさが伝わった。
「おい、止めろ」
つまんなそうなオクルドの声にミレイアとシャルーが注目する。
そうだ、オクルドが鍵の話をし出したんだ。
「鍵の事はわかんないけど、古い言い伝えを知ってる人なら知ってるぜ。何でも縁の物があるとか」
「その方はどちらに?」
もしかしたら手掛かりになるかも知れない。
前のめりになりオクルドを見つめる紫の瞳に顔を赤くしながら恥ずかしそうに言った。
「ここにはいないんだ。何かの用事でこの町に来ていた牧師なんだが、シエラ王国のアレキサンドと言う村に唯一ある教会に住んでると言っていた。その縁の物っていうのが100年に一度教会で公開してるって話だ。詳しい話までは聞いていないから何の言い伝えの事かも分かんないけど…」
言い終えるとキラリと目を輝かせる紫の瞳と目が合って一瞬固まるオクルド。
ミレイアはオクルドの手を取ってにっこりと笑った。
「ありがとう!とっても良い情報を頂きました。きっとそこに行けば鍵についても何か判るかもしれません!」
「え、いや、そう?なら良かった」
「おい、もういいだろ?」
「その手を離せ!」
手を握られ耳まで真っ赤なオクルドにやっかみで引き剥がそうとするシルビーとアントニオ。
オクルドは負けじとミレイアの手をもう片方の手で掴もうとしてる。
シャルーも加勢しようと手を出そうとした。
「お前だけずるいぞっ、イテッ」
テーブルのささくれに引っ掛かったようで手の甲に一筋傷をつけてしまった。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。ただの引っ掻き傷だから」
何でもないよと手を振るシャルーにミレイアは、あっ、と言ってオクルドの手を離し自分の鞄を開けガサゴソ探り出した。
「これ私が作った軟膏なんですよ。傷や痛みによく効くんです。手を出して下さい」
シャルーがそう?と顔を赤くして手を出すとミレイアは軟膏の蓋を開けそっと手を取る。
お兄様達ともラミンとも違う薄くて掌にタコがある少し冷たい手。
何となくそう思いながら丁寧に傷に軟膏を塗ってやった。
回りの者達はその光景を羨ましそうに固唾を呑んで見守る。
最後にミレイアの掌が傷を包み温かさが伝わった。
「おい、止めろ」