魔法の鍵と隻眼の姫
イチャイチャと抱き付きながらラミンと話してたのに突然立ち上がり自分を無視してズカズカとあのミミって娘の所に行ってしまった。

その光景を呆然と見ていたアマンダはラミンの豹変ぶりに驚いた。

ラミンは食って掛かるシャルーを冷たくあしらい踵を返し行こうとすると彼女に手を離されイライラと腕を組み挨拶が終わるのを待っている。

「な…によ、あれ」

むきになって女の子を奪い返し、しかもその娘のする事を待ってるラミンを初めて見た。

いつも飄々と来るもの拒まず去るもの追わずのラミンがあんな小娘を気に掛けるなんていくら護衛だからと言ってもそこまでするの?
ただ話してただけ、手を触ってただけなのに…。

挨拶が終わったミレイアがラミンの側に寄るとまた手を掴んでアマンダまでも通り過ぎ店を出て行こうとする。

「ちょっ、ちょっと待ってよ!」

置いてかれそうになって慌てて後を追った。
カウンターにジャラッとコインを置いて「釣りは要らねえ」と一言行ってそのまま出ていく。

「あ、アマンダ!これかなり多いけどほんとに釣りはいいのか?」

「え、ええ、いいんじゃない?そんなに余るなら皆にワインでも振る舞ってあげて」

急ぎ追おうとしてたのに店主に呼び止められ早口で言うとそれを聞いてた客が盛り上がった。

「おおーいアマンダからの奢りだぞ!皆喜べ!」

「おおー!」
「ありがとー!」
「もう帰るのか?」
「元気でな!」

「あ、あはは~喜んでくれて良かったわ。今までありがと!皆元気でね!」

自分がお金を出してる訳じゃないのに皆に喜ばれちょっとばつが悪く足早に店を出た。

なんであたしがそそくさと出て行かなきゃならないの?
もっと名残惜しまれて帰りかったわ!
踊りを踊った後も皆あの娘の所に群がって、もっと称賛されたかった。
その分ラミンと二人っきりで話せたけど…。
でも、ラミンも上の空で結局あの娘の所に行ってしまった。
みんな、みんなあの娘のせいよ!

自分が一番じゃないと気が済まないアマンダは悶々と不満を募らせる。

良い男を侍らせちやほやされていつも自分の思い通りだったのに小娘のお陰で全てパー。
こうなったらラミンだけはあの娘から引き離してやるわ!

アマンダの嫉妬がミレイアに注がれる。

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