魔法の鍵と隻眼の姫
…………
チクッと胸が刺されるような痛みが走って立ち止まったミレイア。
引っ張られるように振り返ったラミンが掴んでる手を引っ張り目を吊り上げる。
「お前、さっき力使っただろ!二度と使うなと言っただろうが!」
怒鳴られビクッと肩を竦めるミレイア。
「つ、使ってないわ…。知らない人に使ったら変に思われるでしょう?それはモリーに禁止されてる」
弱々しく言うミレイアに掴んでいた手が離れる。
「え?でもお前さっき傷の上に掌を当ててただろ?」
「あれは…力を使ったんじゃなくて、ただのおまじない。早く治りますようにって」
俯くミレイアをぽかんと見下ろすラミンは、漸く自分が勘違いしたのだと気づいた。
楽しそうにしているミレイアをアマンダと会話しながら見ていたラミンは前にいる男の手を取って話をしてるのを見てなぜだかイライラしていた。
極めつけは隣のシャルーの傷の手当てをして両手で包んでいるのを見た途端頭に血が登り気が付いたら立ち上がっていた。
あんなやつにも力を使うのか?
ただの小さな傷をあんな丁寧に!
その手をを離せ!
ミレイアとシャルーがお似合いに見えたのも癪に触った。
冷静でいられなかった自分に驚いた。
「あ…悪か……」
「ミミちゃん!ちょっと待って!」
ラミンが勘違いしたことを詫びようとした瞬間叫び声が聞こえた。
呼び止められ振り向いたミレイア。
ラミンは忌々しげにチッと舌打ちする。
「ミミちゃんこれ忘れてるよ」
差し出されたのはミレイア特性の軟膏。
反対の手で首をポリポリ掻いて頬を赤らめるシャルー。
「傷の手当てしてくれてありがとう。その、俺もミミちゃんと話が出来て嬉しかったよ」
「まあ、わざわざありがとう。でもこれはシャルーさんにあげるわ。まだ沢山持ってるから。また怪我したときに使って下さい」
「え?いいの?ありがとう!大事に使わせてもらうよ!あの、ミミちゃんは明日にはこの町を出ていってしまうんだろ?また、来ることはあるかな?」
「え?…ええ、そうですね、機会があれば…」
世界を救う事が出来ればまた来る機会はあるかもしれないが、もし、出来ずに命を落とすことがあれば…いや、成功したとしても自分はいないかもしれない…そんな事を思って少し暗い顔をするミレイア。
「ミミちゃん?」
「おい、いつまで喋ってる、行くぞ」
イライラとした声で話を切るラミンに一瞬構えるシャルー。さっきは一睨みで黙らされたから今度は負けるもんかとラミンを睨む。
「ちょっと!あたしを置いていかないでよラミン!」
「ああ、悪い。忘れてた」
追いかけて来たアマンダが叫んでるがシャルーと睨み合い目を逸らさない。
本気で謝ってる素振りの無いラミンにアマンダはムッとする。
ラミンは構わずミレイアのフードをバサッと被せ手を掴み踵を返した。
ズンズンと歩いてくラミンに付いていきながら後ろを振り向いたミレイア。
「シャルーさん!さようなら!お元気で!」
手を降り前を向いたミレイア。
「ちょっと!置いていかないでってば!」
自分の横を走り通り過ぎラミンの腕に抱きつくアマンダ。
「両手に花…」
羨ましげにそしてもう会えないのかと寂しげにシャルーは小さく手を振った。
チクッと胸が刺されるような痛みが走って立ち止まったミレイア。
引っ張られるように振り返ったラミンが掴んでる手を引っ張り目を吊り上げる。
「お前、さっき力使っただろ!二度と使うなと言っただろうが!」
怒鳴られビクッと肩を竦めるミレイア。
「つ、使ってないわ…。知らない人に使ったら変に思われるでしょう?それはモリーに禁止されてる」
弱々しく言うミレイアに掴んでいた手が離れる。
「え?でもお前さっき傷の上に掌を当ててただろ?」
「あれは…力を使ったんじゃなくて、ただのおまじない。早く治りますようにって」
俯くミレイアをぽかんと見下ろすラミンは、漸く自分が勘違いしたのだと気づいた。
楽しそうにしているミレイアをアマンダと会話しながら見ていたラミンは前にいる男の手を取って話をしてるのを見てなぜだかイライラしていた。
極めつけは隣のシャルーの傷の手当てをして両手で包んでいるのを見た途端頭に血が登り気が付いたら立ち上がっていた。
あんなやつにも力を使うのか?
ただの小さな傷をあんな丁寧に!
その手をを離せ!
ミレイアとシャルーがお似合いに見えたのも癪に触った。
冷静でいられなかった自分に驚いた。
「あ…悪か……」
「ミミちゃん!ちょっと待って!」
ラミンが勘違いしたことを詫びようとした瞬間叫び声が聞こえた。
呼び止められ振り向いたミレイア。
ラミンは忌々しげにチッと舌打ちする。
「ミミちゃんこれ忘れてるよ」
差し出されたのはミレイア特性の軟膏。
反対の手で首をポリポリ掻いて頬を赤らめるシャルー。
「傷の手当てしてくれてありがとう。その、俺もミミちゃんと話が出来て嬉しかったよ」
「まあ、わざわざありがとう。でもこれはシャルーさんにあげるわ。まだ沢山持ってるから。また怪我したときに使って下さい」
「え?いいの?ありがとう!大事に使わせてもらうよ!あの、ミミちゃんは明日にはこの町を出ていってしまうんだろ?また、来ることはあるかな?」
「え?…ええ、そうですね、機会があれば…」
世界を救う事が出来ればまた来る機会はあるかもしれないが、もし、出来ずに命を落とすことがあれば…いや、成功したとしても自分はいないかもしれない…そんな事を思って少し暗い顔をするミレイア。
「ミミちゃん?」
「おい、いつまで喋ってる、行くぞ」
イライラとした声で話を切るラミンに一瞬構えるシャルー。さっきは一睨みで黙らされたから今度は負けるもんかとラミンを睨む。
「ちょっと!あたしを置いていかないでよラミン!」
「ああ、悪い。忘れてた」
追いかけて来たアマンダが叫んでるがシャルーと睨み合い目を逸らさない。
本気で謝ってる素振りの無いラミンにアマンダはムッとする。
ラミンは構わずミレイアのフードをバサッと被せ手を掴み踵を返した。
ズンズンと歩いてくラミンに付いていきながら後ろを振り向いたミレイア。
「シャルーさん!さようなら!お元気で!」
手を降り前を向いたミレイア。
「ちょっと!置いていかないでってば!」
自分の横を走り通り過ぎラミンの腕に抱きつくアマンダ。
「両手に花…」
羨ましげにそしてもう会えないのかと寂しげにシャルーは小さく手を振った。